もうすぐ夏ですね!プールへ遊びに行く方も多いのではないでしょうか。
プールでは床が濡れていますが、AEDを使って周りの人が感電しないのか?と疑問に思った事はありませんか?
AEDが必要なのはわかるけれど、その疑問を抱えながらAEDを使うことは非常に不安ですよね。
こちらの記事ではプールサイドでAEDを使う際の注意点をまとめて解説致します。
注意点①電極パッドが床につかないように
プールや浴場などは床が濡れていますが、濡れた床面であっても、AEDは使用する事ができます。
ただし1点だけ、電極パッドが床の水に触れない事が条件です。
そのため濡れた床でもAEDは使えるものの、水たまりのように水が溜まっているような床は使用することができません。
AEDの電極パッドは右の鎖骨下、左のわき腹に貼り付けます。わき腹に貼ったAEDの電極パッドが床面につかないように注意して下さい。
また、金属の床の上でAEDを使用する場合についても、濡れた床の時と同様に電極パッドが床に触れないようにすることで使用が可能です。
注意点②電極パッドを貼る部分とその周辺の水分は拭き取る必要あり
プールや浴場などでは、床だけでなく体も濡れています。
AEDを使う時には、電極パッドを貼る部分とその周辺の水分はタオルなどでふき取るようにしてください。
体表面が濡れている状態で電極パッドを貼り電気ショックを行うと、心臓に十分な電流が届かない危険性があります。
多くのAEDには、「レスキューセット」という手袋や人工呼吸用携帯マスク、ハサミなど、救命で必要になる道具をまとめたパックやポーチが付属しています。
レスキューセットの中にはガーゼや不織布などが入っていますので、多少の水分であればこういった道具を使用して、一秒でも早くAEDによる電気ショックを行ってください。
注意点③傷病者の体にも触れないように
AEDは電気ショックの前に「全員離れてください」といった音声ガイダンスが流れます。
これは電気ショックをする時に、倒れている人に触れていると感電の危険があるからです。
床の水や傷病者の水分などに気を配っていても、電気ショックを行う救助者が感電してしまってはいけません。落ち着いてAEDの音声ガイダンスを聞いていれば十分防ぐ事はできますが、よく注意して下さい。
溺水による心停止は人工呼吸の 必要性が高い
心停止には様々な原因がありますが、プールでは溺水など呼吸障害を原因とする心停止の可能性も高いです。
溺水・窒息など、呼吸障害を原因とする心停止の場合は、人工呼吸の必要性が高いです。
2020年5月に新型コロナウイルス感染症の流行を受け、救急蘇生法の指針2015(市民用)が厚生労働省から追補されました。
成人の心停止に対しては、人工呼吸を行わずに胸骨圧迫と AED による電気ショックを
実施する事とされていますが、窒息や溺水など呼吸障害を原因とする心停止の多いこどもには、「講習を受けて人工呼吸の技術を身につけていて、人工呼吸を行う意思がある場合には、人工呼吸も実施する。」とされています。
このことからも、溺水などによる心停止の場合の人工呼吸の重要性が伺えます。
感電で心停止した人にもAEDは使用してOK?
感電で心停止をした場合、「感電で心停止になってしまったのに、また電気ショックをしても良いのか?」という疑問をお持ちの方も多いです。
AEDが必要な心停止とは、「心室細動」という不整脈の状態に陥っている場合が多いです。不整脈になった原因は何であれ、この心室細動は自然に回復する事はまずありません。
そして、この心室細動になってしまった場合には、唯一の効果的な治療法がAEDなどによる心臓の電気ショックです。そのため、例え感電で心停止になったとしてもAEDによる電気ショックは必要なのです。
心室細動についての詳しい内容は次の記事で解説していますのでご覧ください。
AEDが適応となる疾患や不整脈ってどんなもの?
AEDが必要な不整脈であるのかどうかは、倒れている人にAEDの電極パッドを貼り付けるだけで機械が心電図を解析して判断してくれます。
原因は何であれ、呼吸や意識がなければ胸骨圧迫とAEDを装着を急いでください。
まとめ
濡れている床や金属の床でも、AEDの電極パッドが床面に触れないよう注意して頂ければ使用する事が可能です。
ただし、電極パッドを貼る部分とその周辺の水分はしっかりと拭き取る必要があります。
救助者が感電しないよう、電気ショックの際は倒れている人の体に触れないように十分気をつけてください。
その他、AEDの使用についてよくある疑問などをテーマ毎に解説しています。
気になる内容はは是非チェックしてみて下さい。
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