AEDや救命についてのWEBマガジン

AEDのパッドを貼る位置は右前胸部と左側胸部!その理由とは?

AEDの使い方

AEDの電極パッドをどこに貼れば良いのか正しく理解していますか?

AEDは電源を入れると、使い方の音声ガイダンスが流れます。
そのガイダンスに沿って使用する事で、AEDは講習を受けたことがない方でも、
間違いなく使えるような仕組みになっています。

電極パッドには、パッドを貼り付ける体の位置の絵が描いてありますが、どのAEDも絵は右前胸部と左側胸部です。
その主な理由には、心電図計測都合の背景があります。

こちらの記事ではAEDの使い方、およびAEDの電極パッドを貼る位置の詳しい理由について解説致します。

目次

AED(自動体外式除細動器)の使用方法

①電源を入れる

まずAEDの電源を入れましょう。

電源の入れ方は機種によって異なりますが


・電源ボタンを押す

・フタ(カバー)を開ける


のどちらかである事が大半です。


電源ボタンを入れたら音声ガイダンスが始まります。

ガイダンスの内容は各機種により細かい部分が異なりますので、ガイダンスの指示に従ってAEDを使用して下さい。


aed
サマリタン
電源ボタンを押すと音声ガイダンスが流れます

②電極パッドを取り出す

電極バッドは密閉された袋に入っています。

袋を破いて電極パッドを取り出します。


袋を破いて電極パッドを取り出します

③電極パッドを素肌に貼り付ける

電極パッドを取り出したら、電極パッドを絵の通り素肌に貼り付けます。

電極パッドを貼る位置は、右前胸部(右鎖骨の下で胸骨の右)および左側胸部(脇の5から8cm下)です。


電極パッドは、肌との間にすき間を作らないよう、しっかりと貼り付けます。

ネックレスなどのアクセサリーがある場合は、上から貼らないように注意して下さい。


また、対象が未就学児である場合など、体が小さく右前胸部・左側胸部には2枚のパッドを貼れないケースもあります。

その場合には、心臓を挟み込むように胸と背中に電極パッドを貼り付けます。


詳しくはAEDは子供にも使用可能!注意点や小児用パッドの使い方を解説【図解】の記事で詳しく解説していますので、ご確認下さい。


また素肌に直接パッドを貼り付けるために衣服をずらす必要がありますが、女性の場合は気になりますよね?

AEDを使用する場合、必ず上半身の衣服をすべて脱がせる必要はありません。


詳しくは【2020年最新】女性にAED。男性が使用して訴えられてしまうのか?の記事で詳しく解説していますので、ご確認下さい。


電極パッドを貼る位置はパッドは右胸、脇腹です。

④電気ショックを実行

電極パッドを素肌に貼り付けると、AEDがそれを検知して自動的に心電図の解析が始まります。


心電図の解析の結果、AEDによる電気ショックが必要と判断された場合には電気ショックのボタンを押すよう音声ガイダンスが流れますので、その指示に従います。


AEDの電気ショック時には、傷病者に誰も触れていないか十分に注意して下さい。


心電図の解析をした結果、電気ショックが必要でない状況の場合には、

「電気ショックは必要ありません」

というガイダンスが流れ、電気ショックを実行する事ができません。


どういった時には電気ショックが不要であるとガイダンスが流れるのか、

詳しくはAEDが適応となる疾患や不整脈ってどんなもの?の記事で詳しく解説していますので合わせてご確認下さい。


電気ショックボタンを押して電気ショックを実行

⑤心肺蘇生

電気ショックを実行した後は、AEDから「心肺蘇生を開始して下さい」などの音声ガイダンスが流れます。


ガイダンスの指示に従って心肺蘇生を行いましょう。

呼吸や意識がない状態であれば、「AEDの電気ショックは必要ありません」というガイダンスが流れた場合でもやる事は同じです。


1回目の電気ショック(および心電図の解析)から、2分間経過すると、再び心電図の解析が自動的に始まります。

その結果から、もう一度電気ショックが必要であれば、再び電気ショックを実行します。


このように、AEDは心電図の解析(電気ショック)⇒2分間の心肺蘇生⇒心電図の解析(電気ショック)⇒2分間の心肺蘇生


と繰り返す仕組みになっています。救急車が到着するまで、傷病者の呼吸や意識が戻るまでは、大変ですがこれを続けてください。


AEDは心肺蘇生と合わせて実施する事で救命率が大幅に上がります。

周囲の協力が得られる状況であれば、AEDの準備をしている間も心肺蘇生を続ける事が理想です。


なぜ電極パッドを貼り付ける位置は右胸と左わき腹なのか?

心電図を最も計測しやすい貼り方が右胸と左わき腹だから

AEDの電極パッドは右前胸部と左側胸部です。

なぜ右胸と左脇腹なのかといいますと、心電図計測の第II誘導で一番心電図が計測しやすい計測位置であることが理由です。


つまり、電気ショックというよりも、心電図解析の都合で、このような貼り付け方になっていいます。もしも興味のある方は、『第II誘導』などで検索をして調べてみて下さい。


右胸に貼るパッドと、左わき腹に貼るパッドを逆に貼ってしまった場合はどうなるの?

これは講習会などでもよく目にするパターンですが、
右胸に貼るパッドと、左わき腹に貼るパッドを逆に貼ってしまった場合はどうなるのでしょうか?

結論としては、特に問題はありません。
この時に影響がある事とすれば、AEDにモニターが付いており心電図の波形を見れる機種の場合、心電図の波形が逆転して表示されることくらいです。

まとめ

AEDはガイダンスの指示にしたがって頂ければ誰でも使えるようになっていますが、慌てていたり、想定していなかったような思わぬ状況で使用しなければいけない時もあるでしょう。

いざという時に落ち着いて行動ができよう、一度はAED講習会などへ参加して頂くことをおすすめ致します。
AED講習会については、次の記事で紹介をしておりますので是非ご覧ください。

AED講習会28団体をすべて網羅!地域・レベル別に内容や申込を解説。無料講習も【最新版】

その他AEDの使用について、様々なケースを想定した記事をいくつかご紹介致します。
気になる内容は是非チェックしてみて下さい。

プールでAEDを使用しても感電しないのか?プールでAEDを使う3つの注意点

死戦期呼吸は命の危機を知らせる合図!判断に迷ったら直ちに胸骨圧迫を

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