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【2020年最新】女性にAED。男性が使用して訴えられてしまうのか?

AEDの使い方

人が意識を失って倒れている!AEDを使わなければ…!!

もしもあなたが男性の場合、AEDを使うために衣服を脱がそうとした時に、
倒れている人が女性だった場合でも躊躇わずにAEDを使用する事はできますか?

『もしかしたら後で訴えられてしまうのでは?』という不安もありますよね?

この記事では女性にAEDを使用する場合のリスクや注意点について解説致します。

目次

女性へのAEDの使用については賛否が別れている

学校で心停止になった子供に対して、救急車到着前にAEDが使用された割合を調査したデータでは、小中学校では男女で割合に大きな差がなかったのにもかかわらず、高等学校になると女子生徒へ対するAEDの使用割合が、男子生徒に比べて約30%低いという結果が出ました。 ※NHK NWES WEBより

この事はNHKでのニュースでも放送され、

『女性へAEDの使用を躊躇うのは当然だ』
『助けても痴漢などで訴訟されるリスクありそう。何もしなければノーリスク』
『第三者が撮影をして、拡散される恐れがあるのでは?』

といった意見から、

『AEDのために男性に服を脱がされる事を嫌がる女性は馬鹿なのか?まず感謝だろ?』
『処置のために脱がされるくらいなら、死を選ぶ』

といった少し過激な意見などもありました。
女性へのAEDの使用については、非常に議論になりやすいテーマです。

では実際に女性にAEDを使用した時は、本当に訴えられてしまうのでしょうか?
女性へAEDを使用する時に知っておきたいことや、気をつけるべきポイントを解説致します。

AEDを女性に使用すると訴えられるリスクがあるのか?

当然ですが、街中でいきなり見知らぬ女性の衣服を脱がすことは犯罪です。AEDを使うために必要であるとは言え、本当に問題はないのでしょうか…?

悪意が無ければ訴訟リスクは無い

結論から言いますと、AEDを使用する状況では、衣服を脱がしたり体に触れる目的は「救命」のため、性的意図がない場合は、異性を助けて訴訟されることはありません。


厚生労働省からも、AED使用者の安心の確保による積極的対応という点から、人命救助のためのAED使用は刑事罰、民事罰ともに「原則として免責される」という方針が出ております。


救命行為の流れから逸脱しておらずAEDの指示内容に従ったものであれば、性的行為とは見なされることはまずありません。


過去に女性へのAED使用において、その後セクハラ・痴漢などで訴えられたという事例はAEDメーカーでも確認されていないようです。


簡単なようで、でも勇気が必要なAEDの使用。

目の前の命を救うためにその勇気を振り絞ってAEDを使用し救命行為に取り組んでいる人の行動が、後から「性的意図があった」などと訴えられる事はまずありえませんし、実際にその意図がない事も事実でしょう。


救命行為に取り組む事は素晴らしい事ですので、余計な心配はせずにできる限りの救命行為に取り組んでください。


世間一般の反応

しかしながら、やはり異性へのAED使用については、抵抗感のある人が多いようです。

PHILIPSニュースセンター「いつ、誰にでも起こりうる心肺停止の怖さ。あなたができる救助の心構え」より引用

また、Twitterでも様々な意見が見受けられます。

やはり疑問や不安に思っている人が多いことから賛否様々な意見がありますが、命にかかわる問題なので、男女は関係ない!という女性側の意見もみかけられます。

ためらうことにリスクがある

女性にAEDを使用する時、あとから訴えられるリスクよりも、もっと重要な事があります。


それは、倒れている女性の命のリスクです。


AEDが必要な状態では、1分経過する事に救命率は7~10%程下がります。

まさにAEDが必要な場面は時間との勝負です。


近くにAEDがあるのにもかかわらず、もしも「女性だから」という理由でAEDを使用する事をためらい、

仮に胸骨圧迫やAEDの電気ショックが3分間遅れてしまったら…


それだけで助かる確率は約1/3になってしまいます。

人命第一で行動できるといいですね。


それでも抵抗があれば

問題ないとはわかっていても、人の指摘や視線が気になるという意見も当然あると思います。


そのため、女性へAEDを使う時のポイントを2つ紹介します。


周囲の協力を仰ぎましょう


あなたが第一発見者だった場合、周囲に人がいれば『あなた救急車を呼んで下さい』、『あなたAEDを持って来て下さい』と、周りに協力や指示を仰ぐことが基本です。


一人ではなく複数人で協力する事で救助者の安心感にもつながります。

倒れている人が女性であれば、周囲に協力を求める時に、女性を指名して、『あたな手伝ってもらう事はできますか?』と声をかけることも良いでしょう。


人の壁を作ってもらう、目隠しの衝立などを使う


先ほどの周りの協力を仰ぐというポイントにも繋がりますが、救命行為をしている様子が周りから見えないように、人の壁を作る方法もあります。


これであれば男性でも協力できますし、AED使ったり胸骨圧迫をしてくれる女性が何人かいるのであれば、あなたが壁になる事も良いと思います。


また、最近ではこのように女性に対してのAEDについて様々な意見がある背景から、AEDと一緒に、もしくはそのAEDが設置してある施設に、救命行為があまり目に触れない配慮を目的とした、衝立や簡易テント、毛布などが備えてある場合もあります。


そのような使える道具がある場合には、それを用いる事もおすすめです。


AED使用時の衝立の事例(総務省報道資料「国の出先機関等の施設における救命活動に関する調査 AEDを中心として」より引用)

服をすべて脱がす必要はない

AEDが一般市民でも使えるようになり10年以上がたちますが、当初AEDを使用する時には、女性の場合は下着も含めて、上半身の衣服をすべて脱がせる必要があるとよく言われていました。


しかし現在は衣服をすべて脱がす必要はなく、下着をずらして貼ることで対応可能となっています。


日本AED財団からも、AED のパッドを素肌に直接貼り付けることができていれば、ブラジャーは外す必要はありませんとの回答が出ています。


その他、女性への配慮としてはパッドを貼った後にその上から服などをかけて肌を隠すことも有効です。


パッドを貼ったあとにその上から服などかけても、AEDの機能に影響はありません。

救命のためとはいえ、公衆の面前で胸をはだけられて良い気分になる女性はいません。もちろん一番重要なのは一秒でも早い電気ショックですから、可能な範囲で配慮をしてあげられるとよいでしょう。


女性もAEDを使えるように

今まで様々な事を申し上げてきましたが、一番シンプルな解決方法は、女性がAEDを使う事です。

倒れた人の近くに人は沢山いるが、迅速にAEDを使うという行動を起こせる人がたまたま男性しかいなかった場合に、こういった議論が起こります。

性別を問わず救命活動を行える人が一人でも増えることが、この問題の根本的解決に繋がる一つの方法です。
この記事を読んでいただいている女性の方もこの機会に、AED講習会などへの参加を検討していただけると幸いです。

講習会についての詳しい内容は、こちらの記事をご覧ください。
AED講習会28団体をすべて網羅!地域・レベル別に内容や申込を解説。無料講習も【最新版】

まとめ

一般市民によるAEDを使った救命行為については、後から責任に問われるといった事はありません。

しかしそのことを気にするあまりに、本当はAEDをすぐに使いたい、今すぐ胸骨圧迫をしたいという気持ちがあるのにもかかわらず、行動が遅れてしまう事がないように注意してください。

AEDの使用については、女性だけでなく、AEDを使用する対象がこどもの場合、ペースメーカーが埋め込まれていた場合など、様々な状況が想定されます。

そういった状況に応じた詳しい内容は次の記事にまとめております。合わせて確認してみて下さい。

AEDは子供にも使用可能!注意点やパッドの使い方を解説【図解】

AEDはペースメーカー使用者にも利用可能!2つの注意点を解説

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