AEDや救命についてのWEBマガジン

AEDの価格を比較する際に必ず見るべきポイントとは

AEDの基礎

AEDの購入を検討する際、様々なメーカーから多様な機種が販売されており、何を優先して選ぶべきか迷う方も多いかと思います。

また、AEDは決して安い買い物ではないため、何より価格も気になりますよね。
『この会社は価格で比較すると凄く安いけど、何か問題があるのでは?』や、『同じ機種に見えるけど、販売会社によって価格が大きく違うのはなぜ?』等の様々な疑問を解決するため、AEDの価格を比較する時に必ず見るべきポイントをまとめました。

目次

AEDの耐用期間

AEDは当然ながら緊急時以外、常時使用するものではありません。
こういった特性ゆえ、よく勘違いされることがあります。それは、『AEDは、一度購入をすればもう安心。ずっと置いておく事ができる』という事です。

現在、駅やビルなど至るところに設置されているAED、実はそこにただ設置されているだけではなく、機械の中では内蔵バッテリーから常に電気が流れ続けているのです。

そのため、AEDは購入した際(新品の本体にバッテリーを装着した時)から、電源ボタンを押していなくても既に使用しているといったイメージになります。

では、常時通電して何が行われているのかと言いますと、AEDにはそのAED自体が正常に作動する状態であるかをお知らせするサインがついています。
サインは機種によって異なりますが、多くの機種では正常であれば青(緑)のランプ、異常がある場合は赤ランプが点滅する仕組みとなっており、ただ置かれているだけのように見えるAEDも、このように常時通電し作動しています。

また、このお知らせサインを出すためにAEDは自身に異常が無いか、チェックする機能(セルフチェック機能)を備えております。セルフチェックでは、メモリーやバッテリー電圧、ソフトウェアや温度など、様々な項目を機械の中で自動的にチェックしており、万が一に備えて一生懸命作動しているのです。

以上の事から、AEDは購入してから一度も救命に使用されていないとしても機械自体は動き続けているため、いずれ本体の交換が必要になります。
ではいつ交換が必要になるのか。その基準となるのが耐用期間です。
特にAEDはこの耐用期間が非常に重要です。

耐用期間は家電製品など、様々な物に基準がありますが、例えば冷蔵庫などを『耐用期間が過ぎたため、新品に買い替えよう』というケースは少ないと思われます。
壊れたタイミングで買い替えたり、今よりもっと大きな冷蔵庫が必要になった、新しい機能がついた商品が出ているのでそれに買い替える、引越しを機に新しい物に…というような理由で買い替える事が一般的でしょう。

しかし、AEDは家電品のような感覚で買い替えるわけにはいきません。いざ使用する時に壊れていて使えない…というわけにはいかないためです。
AEDは「高度管理医療機器」及び「特定保守管理医療機器」と定義されており、また、医療機器には、品質、有効性、及び安全性の確保を維持する期間を明確にするため、製造販売会社が「耐用期間」を設定しております。
つまり、家電などと違う点は、AEDは購入をしたタイミングで、すぐに次の買い替え時期に向けたカウントダウンがスタートするという点です。

これらを踏まえ、AEDの価格を比較するポイントとして、下記にシミュレーションをしてみました。

AEDの買い替えシミュレーション

 価格耐用期間15年後
A社200,0006年2回買い替えで、トータル 600,000円
B社210,0007年2回買い替えで、トータル 630,000円
C社220,0008年1回買い替えで、トータル 444,000円

A社、B社、C社のAEDを一斉に購入し、仮に耐用期間が来たタイミングで、同一機種で更新をした場合の本体の費用を、最初の購入から15年経過したタイミングで比較したシミュレーションです。

C社のAEDは耐用期間8年のため、15年間で買い替えは1度のみ。それと比較し、A社・B社は2回買い替えをしているため、商品の単価はA社が最安値ですが、トータルの費用は大きく差が出ています。A社とC社を比較した場合、商品単価は2万円も違いますが、15年のトータルコストで見ると、C社の方が15万円以上安くなる結果となっています。

このシミュレーションから、AEDは単純な価格比較だけでなく、耐用期間も含めて比較をする事が重要なポイントとなる事がわかります。AEDは一度設置すると、その後撤去するという事は少ないため、一番高額なAEDの本体をいかに長期運用するかがトータルコスト削減のポイントになります。

AEDの保証期間

AEDは耐用期間とは別に、メーカーや機種により保証期間が異なります。保証期間は多くのメーカーが5年間保証を採用しています。
契約更新の際には、基本的にAEDの本体は新品になりますので、また新たに保証が付いたAEDを使用出来るわけです。

AEDを一般的な期間で更新をするとすれば、保証期間を目安に買い替えをする事になります。万が一に備える機械なので、常に保証期間内で使用をするという事が安心・安全に繋がるためです。

そうなると、出来るだけ保証期間は長い方が望ましいところですよね。
日本で販売されているAEDの中ではストライカー社のサマリタンという機種が長期の8年保証を全面的に打ち出しており、現在この8年間保証が業界で最長の保証期間となっています。

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また、最近はAEDをリース購入するケースも増えてきています。
例えば市役所や学校などの公共施設に設置されているAEDは、半分以上がリースで調達されている物です。
リースが増えた背景として、高額のAEDを何十台と買い替える役所では、AEDを購入をする年度にはどうしても莫大な予算が必要になりますが、リースであれば月額支払いのため、毎年の予算が平準化できるメリットなどがあります。

当サイトでは、リースのお見積りもご相談いただく事が可能です。
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AEDの消耗品

AEDの耐用期間でも触れたとおり、AEDはただ置いてあるだけに見えても、常に通電をしており、機械が中で動いている状態です。当然その間バッテリーは消耗するため、いずれ交換をする必要があります。
バッテリーはAED本体に合う物がそれぞれ決まっており、バッテリーの容量(有効期限)が違います。有効期限は概ね2年~4年ですが、使用するAEDに使うバッテリーに、どれくらい有効期限があるのか確認が必要です。

また、AEDを使うためにはバッテリーの他にもう一つ消耗品が必要で、それが電極パットです。電極パットはAEDを使う際に、対象者の胸部(素肌)に直接貼り付ける物です。
普段は密封された袋に入っており、中身を確認する事はできないものですが、これにも有効期限があります。普段中身が見れない物なのでイメージが沸きにくいかと思いますが、電極パットは肌に貼り付くように、ジェル状の粘着部があります。この粘着部も長期間置いておくと粘着質が弱くなってきてしまうため、定期的に交換が必要となります。
有効期限は電極パッドが入っている袋の表面にシールで貼ってあります。

最近はAEDの価格の中に、バッテリーなどの消耗品の価格も全て含めた物が増えてきてはいます。金額を比較する際には、その価格に消耗品が含まれているのかどうかも、必ずチェックする必要があるポイントです。
また、消耗品は価格以外でも使用期間内で何回交換が必要なのか(例えばパッドが2年で交換であれば、5年で2回、7年で3回)、1回の交換でいくらかかるのか、トータルでいくらかかるのかなど、購入前に詳しく確認する事をおすすめします。

AEDの購入形態

AEDは買取だけでなく、リース、レンタルなど、様々な形態で購入ができます。価格を比較する際に、A社は買い取り、B社はリース、もしくはレンタルで見積が出てきた場合、どこにポイントに比較すればよいのかお伝えします。

金額の見た目では、リース・レンタルが数千円、買取価格は何十万となっているので、リース・レンタルの方が割安に見えます。
では実際はどうなのか、仮の価格を使ってシミュレーションし、比較してみましょう。

AEDの価格を仮にA社は買取で250,000円、B社は一般的な5年のリース・レンタルで月額4,000円だった場合の比較をします。単純に比較をするのであれば、

●B社 5年間(60ヶ月)×4,000円=240,000円

A社の買取価格250,000円より、B社の方が10,000円お得と思えます。
これで単純にお得だな、と感じた方は要注意です。
見落としている重要なポイントがある事に気づきましたでしょうか。

①AEDの消耗品価格
A社、B社それぞれ、AEDの消耗品の金額はどうなっているでしょう?実はこの情報だけでは、比較するための条件が全て出揃っていないため、価格を正確に比較することができません。この情報だけでは、B社の方が安いと判断する事は出来ないのです。

それでは仮にA社、B社ともに消耗品も含まれた価格であった場合にはどうでしょうか?
今度こそ比較した結果、B社の方がお得だと言いたいところですが、もう一つ重要なポイントがあります。

②AEDの保証期間
A社のAEDは保証期間が何年でしょうか?仮にA社の価格が8年間の保証がついた物であった場合、A社のAEDは8年間使用できますから、月額に換算したコストイメージは

●250,000円÷96ヶ月(8年)=月額2,600円

こうなると逆転してA社の方がお得になります。
仮にAEDを5年間限定で使用するのであれば先の通りB社の方がお得ですが、基本的にAEDは万が一のため常備しておくものですから、長い目でコストを比較する事が大切です。

まとめ

AEDは機種によって、耐用期間、保証期間、消耗品が違い、購入形態がリース・レンタルでも価格が変わってきます。

AEDの価格を比較し、出来るだけ安く購入したい場合、必ず外せないポイントはAEDの長期運用です。
AEDの本体は5~8年で更新が必要になること、中でも本体は一番高いといった理由から、AED本体を長く使えば使うほど、トータルで見るコストは安くなります。
価格の比較では若干高い商品でも、保証期間も含めて比較をすると、結果的には割安であったという事はよくあります。
例えば、消耗品も含めた買取価格がA社もB社も250,000円であった場合、金額だけでなく、是非保証期間も含めて比較してみてください。

当サイトからの無料見積りは、上記のようなトータルコストを踏まえたお見積りのご相談に応じております。
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