
AEDは誰でも使える医療機器として、初めて使う人でも倒れている人に電気ショックを行えるものである事はわかっているものの、いったいどういう仕組みでAEDが動いているのかを知っていますか?
意味をよく理解していないと、必要な事だとわかっていても電気ショックのボタンを押すことには勇気がいりますよね?
こちらの記事ではAEDの仕組みと、なぜ電気ショックが必要であるのか?という疑問を解説致します。
AEDの仕組みは3ステップ!
ステップ①まずは心電図の解析
AEDは「電気ショック」というイメージが強いと思いますが、その前段階として、心電図を解析し、電気ショックが必要であるのかどうかを判断する「心電図の診断機器」でもあります。
その機能により、AEDは必要のない人に間違えて電気ショックをしてしまうといった事が起こらないようなしくみになっています。
多くの機種は電極パッドを素肌に貼り付けると、それを検知して自動的に心電図の解析が始まります。救助者は、AEDの電極パッドを取り出して電極パッドに書いてある絵の通り素肌に直接貼り付けるだけでOKです(電極パッドを貼る位置は右鎖骨下と左のわき腹です)。
心電図の解析が始まると、AEDは「心電図を調べています。体に触れないで下さい」 といったガイダンスが流れます。

※東京防災救急協会 普通救命講習テキストより
ステップ②電気ショックのエネルギーを準備
心電図を解説し、心臓に電気ショックが必要な状態であれば電気ショックを行います。
一般的なAEDの電気ショックは電圧1,200〜2,000V、電流30〜50Aです。AEDはボタンを押すとすぐにこのエネルギー量で電気ショックが行えるようにはなっておらず、電気ショックを行う前に、このエネルギーを準備する時間が数秒あります。
このエネルギーを準備する時間、AEDの音声ガイダンスでは、「電気ショックの準備をしています」という内容が流れます。
ステップ③2分間の心肺蘇生⇒心電図解析を繰り返す
電気ショックを行った後、AEDは心肺蘇生を行うようガイダンスを流します。
そして約2分経過すると、
再び『心電図の解析⇒費用であれば電気ショック⇒2分間の心肺蘇生』
となり、これはAEDの電源を切るまで、繰り返されます。
倒れている人の呼吸や意識が戻らないのであれば、救急車が到着するまで、ガイダンスの通り心肺蘇生を続けてください。
AEDの電気ショックは心臓を一旦止めるため
AEDは一般的に、”AEDは心臓を再び動かす機器”というイメージを持っている方も多いはずです。
しかし、実はこの認識には小さな誤解があります。
AEDの電気ショックが必要な心臓の状態の中で多いのは、心室細動という不整脈です。
心室細動は心臓が細かく痙攣してしまうような状態で、この痙攣を取り除くため、AEDは電気ショックにより一旦バラバラに興奮している心筋をリセットします。
つまり心臓を一旦止めて、正しい心拍を取り戻す準備を行うために電気ショックを行うのです。
AEDが必要な不整脈は、心室細動以外に、心室頻脈などもあります。
AEDが適応になる不整脈については、次の記事で詳しく解説していますのであわせてご確認下さい。
AEDが適応となる疾患や不整脈ってどんなもの?
迅速な対応と胸骨圧迫で救命率がアップ
心室細動を起こして倒れた場合、ポンプの役割を担う心臓がうまく機能していない状況になっています。
心臓が痙攣を起こしている時間が続くほど、心臓自身も含めた全身に酸素を供給できない時間が増えます。
血液の流れが止まった心臓は時間の経過と共に拍動するエネルギーを失っていくので、AEDで心臓を一旦リセットしたとしても、再び動き出す事が難しくなっていきます。
救命率は1分経過するごとに7~10%下がります。そのため迅速な行動が救命率UPにつながります。
さらにAEDの使用と同じくらい大切なのが胸骨圧迫(心臓マッサージ)です。
心臓がポンプの役割を果たせていないため、絶え間ない胸骨圧迫によって心臓も含めた全身に血液供給を行うことで、救命率の大きくアップします。

まとめ
AEDは心電図を解析し、その結果電気ショックが必要と判断した時にだけ電気ショックを行います。
単純に倒れている人に電極パッドを貼り付けて、ボタンを押せばいつでも電気が流れるといったものではありません。
また、一度電気ショックを行っても電源を切るまでガイダンスは流れ続け、2分毎に心電図の解析を行い、必要であれば何度でも電気ショックを行います。
そして救命のためにはAEDだけでなく、胸骨圧迫も非常に重要です。
胸骨圧迫はAED講習会などで、人形を用いて実際に体験する事をおすすめ致します。
AED講習についての詳細は次の記事をご覧ください。
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